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スリランカの公的医療と生活習慣病

スリランカの医療サービスは大きく「公立」「私立」に分けられます。

この国のすごいところは、公的医療が無料で提供されていること!

すごいね!

なので、「お金がなくて病院にかかれない」ということはあまりみられていないようです。

 

その一方で、私立病院では全額実費となるため、お金持ちしか掛かることができないようです。しっかり前払いでの対応です。

私立病院であれば、しっかりとした設備と清潔な個室があり、比較的高いレベルの医療サービスが受けることができるので、スリランカで生活する中で、万が一の時の安心になります。

 

ところで、近年のスリランカでは日本と同様に、生活習慣病が深刻化しており、これにより医療費の増加が懸念されています。。

医療費が膨らめば、この無償の公的医療が崩壊の危機になるのではないでしょうか。。。

 

スリランカの医療体制

スリランカ保健省は保健セクターを「治療」と「予防」に分類して保健行政を 管轄しています。

 

スリランカの医療施設(「治療」)としては一次レベルから三次レベルまで の病院が設置されています。

保健省(国)は主に三次医療施設を管轄

・教育病院(Teaching Hospital:TH)

・州総合病院(Provincial General Hospital:PGH)

・県総合病院(District General Hospital:DGH)

・特殊病院など高度な診断・治療を 行う医療機関)

 

州は主に二次医療施設を管轄

・基幹病院(Base Hospital:BH)

・一次医療施設の地区病院(Divisional Hospital:DH)

・プライマリーメディカルケ アユニット(Primary Medical Care Units:PMCU)

 

三次医療施設 はほぼ全ての診療科、基幹病院は主要な 4 診療科(内科、外科、産婦人科、小児科) をカバーし、地区病院 は一般診療と簡単な入院機能、PMCU は外来サービスを提供し ています。

 

「予防」は、保健省の公衆衛生局のもと各州が管轄しています。

・医師

・公衆衛生検査官(Public Health Inspector:PHI)

・公衆衛生助産師(Public Health Midwive:PHMW)

がコミュニティレベルで活動しています。

 

スリランカにおける保健医療サービスの課題は、三次医療施設への患者 の集中だそうです。

特に、虚血性心疾患や脳血管障害の診断・治療に関しては多くの 三次医療施設で対応できず、大都市であるコロンボやキャンディの病院での対応に限られてしまい、患者集中の要因となっています。

公立病院では、専門医へのアクセスがよろしくないようです。。。

 

また、日本でも同じでですが、人材や設備面において都市部と地方の格差は大きいようです。

 

スリランカの疾病構造

スリランカの 4 大死因(WHO 2014)

・循環器系疾患(40%)

・悪性腫瘍(10%)

・慢性呼吸器疾患(8%)

・糖尿病(7%)

こ れ ら の 全 て の 疾 患 は い ず れ も 非 感 染 性 疾 患 ( Non-Communicable Diseases:NCDs)です。

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ちなみに、日本の4大死因(厚労省 2012)は

・悪性腫瘍

・循環器系疾患

・肺炎

・老衰

 

途上国であっても、病気はいっしょ。

 

スリランカにおける非感染性疾患でも、男性の労働者にこの疾患による死亡が多いということ。

「非感染性疾患による30歳から70歳の死亡率」・・・18%

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事故より多いんだ!

 

スリランカの無償の公的な保健サービスは中々できるものではないと思います。

無料ということは財源は政府。税金。

 

日本と同様に、スリランカでも医療費抑制を見据えた生活習慣病予防が必要なようです。

 

ちなみに、この「医療」にかかわることは保健省(Ministry of Health)。

私の配属先は社会福祉省(Ministry of Social Services)。

関わりをもてるといいですが。