人を信じることは難しい。
人を信じるという文脈で思い出す作品がある。
仕事で使う予定で、図書館から借りてきてた(*´ω`*)
何といういいタイミング。運がいいわ。
メロスは処刑されることになる。
どうしても3日猶予がほしいメロス。妹の婚礼に参加したいから。
王は、猶予が欲しければ、身代わりになる人物を置いていけという。
身代わりを申し出るセリヌンティウス。
この3者はそれぞれ人を信じること、そして自分を信じることを見せてくれている。
誠実、実直なメロスでさえ、走るのを止める時間があった。それは自分が王に挑戦する気持ちを信じきれていなかった。
王は、人は必ず裏切るという自分の信念があった。
セリヌンティウスはメロスが時間までに戻ってこないのではないかと信じきれない時もあった。
人が他者や自分をずっと信じる、という行為は難しい。
どんなに信頼関係があっても疑う瞬間はあるんだ。
どんなに強い自分でも自分を疑ってしまうことがあるんだ。
しかし、走れメロスの結末で言えば、メロスが自分を信じて、親友を救いたいという気持ちを信じて、王に挑戦していることを信じて、走り切り2人は救われた。
信じることで希望が満ちる。
出発点として人を信じること。
紆余曲折しても信じる気持ちを持ち続けること。
たかが文学。されど文学。
太宰治は一体どんな気持ちでこの作品を書いたのだろうか。
彼自身も信じるということの希望と危うさを感じていたのだろうか。