そのニュースは急に伝えられた。
私の事務所に同僚が入ってきて「テレビ見ました?すごいニュースですよ。安倍元首相が撃たれたって」
私は心底驚いた。首相の暗殺は高橋是清以来じゃないだろうか。
正しくは、安倍さんは元首相だが。
1人の死。
これが一般市民であれば、右から左へ流れていくニュース。
ただし今回はあの元首相。
インパクトが違う。
私自身へのショックも大きかった。
安倍さんを慕っていたと言うわけではないが、著名人が公共の場で撃たれると言う事態がショッキングである。
ここはアメリカか、まず思った。
次に、このニュースを見すぎてはいけない、と察した。
瞬間的に、ショックの度合いが東日本大震災の一報を受けたときに似ていた。
東日本大震災の時も、当たり前ではあるが、ニュースで繰り返し流れていた。あのショッキングな光景。
私は、何とも言えない悲しみ、悔しさ、無力感を日増しに感じた。
しばらく楽しむことに罪悪感覚えたり、笑っていてはいけないような気がした。
そんな経験から、安倍さんの暗殺ニュースからは遠のくことに決めた。
テレビを持っていないので、自分が欲しなければ、そのニュースに触れることは無かった。
人に会うこともなかったので、思い出したり、話題にも上がらない。
そんなこんなで衝撃ニュースの週末を切り抜ける。
明日は出勤しなければならないので、嫌でも話題に上がるだろう。
次にどう思うか。